「その頃は、鶴島と卓球をやるごとに素振りの仕方を工夫していました。」

「しかし、鶴島に勝つために、素振りの仕方を工夫したのではないということでしたね」と町会長。

「おっしゃる通りです。試合で勝つために、そういう工夫をしたのではなくて、理由なく威力がある球を打ちたかったのです。」

「なるほど」と町会長。

「毎日ロングの打ち方を変えていましたが、鶴島は何も言わずについてきました。高校の卓球部の練習だと、相手が打ちやすいところに、返しやすい球を打たなければならないのですが、僕たちは、思いっきり強い球を打ち合っていました。」

「なるほど。そういう練習だとボールの着地点が打つたびにずれるのではありませんか」と町会長。

「おっしゃる通りです。鶴島は、返しにくかったと思いますが、文句も言わずに、強い球を打ち返してきました。」

「鶴島も頑張っていたのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。いわおちゃんとやるころには、鶴島の右手の人差し指の中指側の付け根が紫色になり、えぐれたようになっていました。」

「卓球で、なぜ、そんなことが起こるのですか」と町会長。

「当時は、皆、ペンホルダーと言われるタイプのラケットを使っていました。」

「ペンホルダーだと、人差し指の内側の付け根にラケットが強くあたるのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。ペンホルダーは、中国式のようにラケットのグリップを持ちます。中国式と違うのは、本体が単板で厚いのが特徴です。グリップのラバー側が高くなっていて人差し指の先がかかるようになっているのも特徴です。人差し指の先をグリップエンドに掛けて力を入れると、人差し指の中指側がラケット本体の角にあたって痛いため、皆、本体の角を削って使っていました。」

「ペンホルダーは、ラケットをペンを持つような感じで持つのですね」と町会長。

「おっしゃる通りです。そのとき、ラケット板の角の部分が人差し指と中指の間に来るのですが、ラケットの板の角が人差し指の付け根にあたります。」

「それで、ラケットの板の角があたるところが、紫色になり、えぐれたようになっていたのですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。その部分は、どうしても人差し指の付け根に近い部分があたるので、皆、ナイフで角を削って丸みをつけ、紙やすりで仕上げていました。それでも鶴島の人差し指の付け根は、紫色になり、えぐれたようになっていたのです。」

「鶴島は、渡辺さんの球を打ち返すために頑張っていたということですか」と町会長。

「おっしゃる通りです。僕は、鶴島の人差し指の付け根が紫色になり、えぐれたようになっているのを初めて見たとき、言葉では言えないような衝撃を受けたのですが、何も言ってやることができませんでした。」 

「渡辺さんの打つ球は、そんなに強かったのですか」と町会長。

「僕が打つ球は、セルロイド製の小さなボールですから、鶴島の指の付け根がえぐれるような衝撃は与えません。」

「それでは、なぜ、鶴島の人差し指の付け根がえぐれたようになってしまったのですか」と町会長。

2021/4/30

<筆者の一言>
痩せるためのもう1つの基本は、100グラム単位の違いが分かる体重計を購入し、毎日、体重を記録することだ。そして、いつもと違う物を食べた時は記載しておく。間食はしないのが絶対的な基本だが、やむをえず間食をした時にも記載しておく。そうすると。次第に体重と食事の因果関係が分かってくる。<続く>

<イエスズメ後記10>
4月になって気温が上がると、イエスズメが『トレニーニョ トレニーニョ』と澄んだ美しい声で鳴き始めた。栗林や山ぎわの竹やぶ、隣の家の庭のあたり、たまに我が家の樫の木の防風林などで鳴いている。しかし、今年は苔庭に降りてきて荒らす気配がない。おもちゃの鷲が効いているようだ。

どうも、我が家の樫の木の防風林は、イエスズメにとって重要性が薄れてきたようだ。2月ごろからカラスの鳴き声が聞こえない。だから、イエスズメは色んな所で鳴いている。

カラスは毎年増えていて、去年は特に多かった。防風林の北側には、毎日、カラスが来てイエスズメを狙っていた。しかし、今年になってカラスの鳴き声を聞いたのは1度だけだ。おそらく、カラスは増えすぎて、冬を越せず、壊滅状態になってしまったのだろう。

イエスズメの飛行技術が極めて高いので、冬の間の少ない餌をイエスズメに食べられてしまった可能性がある。それ以外の可能性としては、ウエストナイル熱だ。カラスが増加したので、カラス間で感染しやすいタイプのウイルスが突然変異で出現したのかも知れない。<終わり>

※イエスズメと筆者の戦いは終わってしまったようなので、『イエスズメ後記』は、これで終了します。

イエスズメの感染を心配している方の参考のために言うと、イエスズメは、蚊がイエスズメに近づこうとしないのでウエストナイル熱に感染することないと推定されます。たまたま風に吹き飛ばされて近くに行ってしまった蚊を、イエスズメが食べて感染したとしても、症状は出ないようです。。

ウエストナイル熱については、誤解されてていると推定されることがあるので、時間がある時に補足したいと思っています。

2024/4/22